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バンカーショットはなんばしょっと

 アマの最も恐れるのはバンカーにボールが吸い込まれていくことである。 バンカーからのショットで何度苦渋を飲まされたことか。 その思いがよぎり、バンカーにボールが入った瞬間、目の前が真っ暗になるほどである。 私にも苦い経験がある。 あるコンペで優勝をねらえる位置で健闘していて、後2ホールと言うところで長いパーオンをねらう場面となった。 確か4番アイアンのショットはピンに真っ直ぐ向かっていき、これなら転がってバーディチャンスにと思った瞬間、ボールはグリーン手前で思わぬ方向に跳ねてバンカーに入ってしまった。 何でこんなことにと気持ちの整理が着かぬままのバンカーショットは悲惨なもので、ザックリ、ザックリの後、ホームラン、ホームランとバンカーを渡り歩き、ホールアウトした後にスコアを計算するのに大変苦労した思い出がある。

 良い思い出もないわけではない。 いつもの仲間とラウンドしていて、4,5ホール連続バンカー入りとなり、その全てをピンに付けワンパットで納めたことがある。 その時のクラブの感触は今でも手に残っているが、それを再現しようとしても、うまく行ったり、とんでもないショットになったりでどうも再現性がない。 アマにとってバンカーショットというものは、打った後「なんばしょっと」と自分をののしる結果になることを覚悟して掛かる必要がある。 要するにバンカーを出てグリーンに乗れば良しとするぐらいの覚悟をすれば気持ちが楽になる。

 ところで、皆さんはバンカーショットをするときにどこを見ているのだろうか。 もちろんボールを見ているはずである。 ところが、私の場合は違う。 ボールの手前の砂を見ているのである。 ピンまでの距離や、あごの高さや、傾斜の具合や、ボ-ルのライから、どの辺にサンドウェッジのヘッドを打ち込むか、あるいは、どの辺からヘッドをくぐらせるかを決めたら、その位置の砂を見つめそこに意識を集中させてクラブを振り下ろす。 この方法をとると、なぜかヘッドアップせずにしっかり打つことが出来、ホームランが出ないなどの利点があるように思う。 この方法は手引き書で読んだわけでなく、自分で考えてやっていることなので誰にでも良い方法かどうかは自信がないが、バンカーでホームランを良く出す人は試してみたらどうだろうか。 もちろんこの方法はグリーン回りのバンカーでの話であって、フェアウエーバンカーではあごの具合によっては思い切りトップさせるのが良いときもある。

 不幸にしてバンカーに捕まったら、それが重要な場面であればあるほど欲張ってはいけない。 とにかくピン方向に確実に出して、あとはパッティングでカバーするぐらいの気の持ち方が必要である。 バンカーにボールが捕まってもとにかくそこから出すことに専念し、時にはピンに寄ってワンパットで切り抜ける。 そんなことが出来るようになれば優勝も間近である。


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